みいちゃんのお菓子工房

プロフィール

みいちゃんが店長です。

当店の店長兼パティシエ みいちゃん
2020年1月 小学6年生で、ケーキ屋さんの店長になりました。
みいちゃんは、特性を持って生まれました。
なので、みなさんとお話しをする事がとても難しいのですが、
心を込めて作った手作りスイーツで「ありがとう」を伝えています。
みいちゃんは、スイーツで思いを表現するので
「おまかせホールケーキ」のご注文はみいちゃんにしかできない
あなただけのプレゼントケーキです。
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みいちゃんのプロフィール

みいちゃんは、極度の不安病で、自分の体が自分の意思で動かせない「場面緘黙症」の症状と今も日々闘っています。

そんなみいちゃんの夢は「パティシエになってみんなを笑顔にすること」です。

みいちゃんの作るケーキは人を笑顔にさせる力があります。そんなみいちゃんの作るケーキを一人でも多くの方に知っていただき、将来の自立に向けた一歩を踏み出せれば、という思いでお店をOPENしました。

精神障がいを乗り越え
小学生で人気パティシエに。

みいちゃんは、今も体が自分の意思で思うように動かない精神障がいと闘っています。自宅以外の集団生活の場では、声は出ません。体も自分の意思で動きません。

でも不安の全くない「自分のお城」では、体が動き、その才能を発揮します。

発達障害の特性である「並はずれたこだわり」「驚くべき集中力」そして大好きな創作活動。みいちゃんは、これらをスイーツで表現する事ができます。
小学4年生から独学で始めたお菓子作り。2018年からマルシェでお菓子を販売し、2019年4月からはスイーツカフェを開催するまでに腕をあげました。そんなみいちゃんですが、みんなと同じように一般社会では生きていきません。不安で脳が体を動かなくさせるからです。

みいちゃんは、「いつか自分のお店を持ちたい」そう発信するようになりました。みいちゃんは、人・物・場所に慣れるまで3年かかります。みいちゃんが社会参画するためには、体が自由に動く空間、自分のお城「みいちゃんのお菓子工房」がどうしても必要でした。

みいちゃんの二面性とその症状

みいちゃんは、極度の不安障害である「場面緘黙症」で精神障害者手帳2級、療育手帳(B1)を持っています。幼少期に自閉症スペクトラム、発達障害も持ち合わせていると診断を受けました。自宅以外では、人間の生きる機能がシャットダウンされます。

唯一できるのが息をする事、眼球を動かす事。極度の不安で、声は出せません。 自宅以外の緊張が強い場面では、体が自分の意思で動かなくなる「緘動(かんどう)」の症状がでます。いろんな病院をめぐり、検査をしてきましたが、原因はわからず薬もありません。

学校では、常に緘動の状態で、声もだせず給食も食べられません。字を書く事も、立つ事も1人ではできず、介助の先生の支援で、なんとか小学校生活が送れていました。遠足はなんとかいけますが、お弁当は広げるだけでみんなと一緒に食べる事は、6年間一度もありませんでした。小学校では、支援学級に在籍し、小学4年生で不登校を経験したのち、小学生高学年の後半は、なんとか午前中だけ2時間の通学ができていました。

この子は将来どんな道を歩めばいいのだろう、とずいぶんと悩み続けました。みいちゃんの生きる道を探し求めて、これまで色んな事に挑戦させてきました。

人生の転機

そんなみいちゃんに転機が訪れます。小学4年生までは、1日飲まず食わずで学校に通っていました。体の緊張も激しい中、学校での8時間、心拍が高く極度の不安状態を続けていました。でもとうとう、4年生の時に学校が行けなくなりました。ずいぶんと頑張ったんだと思います。学校に行かない選択をしたみいちゃんは、自分が自分らしく生きる時間を選択したのでした。自宅は、唯一、体の自由がきく自分の居場所です。

社会から閉ざされる事がないようにと新しく買い与えた携帯に料理やお菓子のレシピが検索できるアプリを入れてあげました。

それから、みいちゃんは、人が変わったようにひたすら自宅でお菓子作りを始めたのです。みいちゃんは、人・物・場所のトライアングルがうまくマッチした場所でないと本当の自分が出せません。でも、自分のお城では、自分の強みを最大限、スイーツで表現ができるようになりました。そしてそれから数か月後、「みいちゃんはパティシエになってみんなを笑顔にしたい。いつか自分のお店を持ちたい」と夢を語るようになりました。

みいちゃんが小学5年生で1人で作れるようになったスイーツ達です。持ち前の集中力とこだわりで、ここまでの技術を得るのにほんの6か月ほどでした。

お店を持つのは夢のような話でした。いつか持てるといいね、くらいの気持ちでした。でもみいちゃんは、自分が掲げた自分の夢を追いかけるため、独学でスイーツを勉強し、腕をどんどん上げていったのです。

そして、不登校の最中に始めたインスタグラム。みいちゃんが、インスタグラムで家族以外の方と初めて会話しているのを見た時、こんな方法があったんだと、みいちゃんの生きる道が見えてきた気がしたのです。当時10歳のみいちゃんの投稿に反応してくださった方が何人もいました。お料理やお菓子を投稿するたびに反応してもらえる喜び、そしてそれに返事ができる自分。それは「自分が認められた瞬間」でした。
10歳まで家族以外とコミュニケーションを取る事ができなかったみいちゃんには、初めて歩けた日のようにインスタグラムで人生が大きく変わったのです。

インスタグラムでは、家族以外の知らない方とコミュニケーションが問題なく取れました。これまで「あの人、全然動かない。何にもしないよね」そんな言葉を数えきれないくらい浴びてきました。体は動かないのに涙は流せました。みいちゃんはどうしても動けない自分が嫌で目に涙をためる事が唯一の表現方法だったのです。低学年の頃は良く涙をためてましたが、いつしか泣かなくなりました。インスタグラムでは、へたっぴなおかずやお菓子をアップするたびにコメントをもらいました。みいちゃんには夢のような世界でした。自分を表現できる場所を見つけたのです。

インスタグラムで自分を認めてくれた出来事があってから、みいちゃんは再び学校に行けるようになりました。失敗を繰り返さないために体の動かない学校は午前中2時間と決めました。学校を終えたあとの昼からの時間は、体が動く時間になりました。

それからのみいちゃんの成長はすさまじく、類まれなる集中力とこだわりで、ほんの数か月でケーキ、タルト作りを習得しました。その仕上がりは、芸術作品で、プロ顔負けの出来栄えでした。そんなスイーツは、インスタグラムで話題になり、みいちゃんのフォロワーはどんどん増えていきました。いつの日かインスタグラムでは、誰とでも会話ができるようになりました。インスタグラムの世界では、みいちゃんは、精神障がい者ではありませんでした。

そして、いろんな修行の場を経て、起業支援でバックアップしてくれている県所有の空きレストランを借り、みいちゃん念願のスイーツカフェ開催もできるようになったのです。障がいを乗り換え、小学6年生のちびっこが作るケーキは、ただ単においしいだけではなく、そこに込められた思いや葛藤がケーキに表現されており、いつしかたくさんのお客さまが来ていただくようになりました。2019年8月のカフェでは、開店と同時に10テーブル(40席)が埋まるお客さまが来店され、みいちゃんの夢はぶれる事なく強いものになっていきました。

(2019/4から月に1回、不定期で開催しているスイーツカフェの様子満席)

なぜスイーツカフェでは
体が動いたのか
厨房では声はだせませんが、体は動いたのです。これは何度か訓練をして、ここならみいちゃんの体は動く、という事を確認したのです。お借りしたこの厨房は前面壁に覆われ、みいちゃんの作業場は、ホールに来たたくさんのお客さまからは完全に目隠しをされています。この目隠しされた厨房は、安心できる場所なのでした。

そして お店を持つ事は、決して早すぎない。小学生だって店を持てる。ちっちゃなみいちゃんらしい、ちっちゃなお店からはじめればいい。みいちゃんは、自分の力で充分頑張ってきた。パティシエの世界で生きていこう。精神障がいを乗り換え、社会に参画する手段としてみいちゃんに自分のお店を与えてあげる事は、自然な流れでした。

すでにみいちゃんは、お店を持ってもおかしくないだけ頑張っていました。まだまだプロからすると全然未熟なちびっこパティシエですが、その熱意と、誰かを幸せにしたいという気持ちは、本物です。体が自分の意思で思うように動かない精神障がいを乗り越え、日本最年少のパティシエになって自分のお店を持つ。これまで自分1人では何にもできなかったけれど、これからはみいちゃんが誰かを勇気付け、夢を叶えるお手伝いをする番。お返しをする時期にきたのだと思いました。

(みいちゃんのぶどうスイーツセット)

そして2019年9月、みいちゃんのお菓子工房を
建てることを決めました。

みいちゃんの思いはとても強く。夢に向かって頑張っている姿はまっすぐでした。そして特効薬のない精神障がいが、生きがいを与える事で、少しずつその症状が改善されていく事が目に見えていました。

もしかしたら、自由になれる自分の居場所を与えてあげればみいちゃんは本当の自由を手に入れるのかもしれない。

薬や治療なんかいらないかもしれない。

行き渋りがでていた学校。これから先の学費だと思えばいい。

そんな思いとの葛藤でした。

でも止まってはいけない。きっとこの活動は誰かの役にたつはず。

年齢を待つ必要がどこにあるんだろう。

家族にしかわからない究極の選択でした。でも、そこに未来が見えたのです。

悩んで悩んで、どうやって社会に出してあげればいいのか悩み続けた日々の苦しみよりも、みいちゃんが笑顔でいられる空間を作り新しい未来を見る方がはるかに苦しみが少なく感じたのです。

2020年1月 ちっちゃなみいちゃんの工房は、プレオープンをしました。

2020年4月からは養護学校に通いながら不定期で月に2回、日曜日に営業しています。

みいちゃんらしい10畳ほどのちっちゃな工房で、頑張っています。

みいちゃんは、この工房でいつか家族以外の人と一緒に働けるように3年間適用訓練をしていきます。

週末は店頭販売のケーキ屋さんとして家族が接客をサポートしながら営業をする事になります。そして養護学校を卒業する2023年 3月に、平日も開店させる知る人ぞ知るちっちゃなケーキ屋さんとしてグランドOPENする予定です。

主力商品

みいちゃんのバスク風チーズケーキ

スペインのバスク地方で食べられていた表面を焦がしたとってもおいしいチーズケーキです。
すでのそのお味の評判は◎ リピーターさんが続出してます。みいちゃんのバスク風チーズケーキは、これから全国に発送していきたいです。

みいちゃんのバスク風チーズケーキ

みいちゃんの得意なスイーツ、苦手なスイーツ

みいちゃんは、こだわりが強いので、とても丁寧な仕事をします。そのため1個のスイーツにかける時間が相当にかかります。そのためバスクチーズケーキ以外は大量生産ができません。少量個数のこだわりケーキをショーケースに配置していきます。みいちゃんは、芸術作品を作るのが大好きです。その表現は、小さなショートケーキでは、小さすぎて表現がしずらくなります。でも大きなホールケーキでは、みいちゃんの威力が発揮されます。自由なスイーツキャンバスにみいちゃんの思いのままデザインが描かれていきます。得意なケーキは、ホールケーキです。それも、「みいちゃんにお任せで!」これは一番、みいちゃんのやる気がでるのです。決まったケーキを作るのは少し苦手で、常に向上心を持っているので、同じケーキを何回も何回も作ると飽きてしまいます。特性ゆえに難しいところです。お誕生日ケーキも決まった形のものはご用意しません。ある程度のご要望をお伺いした上で、ケーキ箱を開けてのお楽しみ、みいちゃんのお店は、そんなケーキ屋さんです。

みいちゃんの得意なスイーツ、苦手なスイーツ<

焼き菓子

みいちゃんは、焼き菓子も作れます。お声がけいただいたマルシェには、焼き菓子を持って出店します。でも、焼き菓子は、ケーキよりも準備が大変で、特に詰め合わせセットのご注文には、商品を揃えるのに時間を要します。でもみいちゃんが、夢を失わないよう、しんどくない範囲の仕事量を調整していきます。ありがたいご注文の声に感謝しながらも、みいちゃんの為に無理な時は、ご用意をお断りする勇気を持とうと思います。

焼き菓子

小学生も参加できるプロの現場お仕事体験

みいちゃんのお店は、これからの将来を担う子ども達を応援するプロジェクトを実行します。今のキャリア教育、職場体験は中学生から。でも実は、小学生だって職場体験、充分にできます!2019年8月から試験的に実施してきた「お仕事体験」。小学生はとても頑張り屋さんです。そして一番大事な時期なのです。自分の夢を考えだす時期。みいちゃんが夢を叶えたようにみんなの夢を応援したい。「みいちゃんのお菓子工房」は、キャリア教育を支援する民間事業者になります。娯楽施設での体験ではない本当のお仕事現場。リアルな体験、柔軟性を必要とする現場。これを経験する事で、子供達は、いろんな知恵、技量を発揮していきます。そして、自分にはどんな仕事が向いているのか、自分の苦手な仕事はどんなのだろう、そんな感覚を得る事ができます。お母さん、お父さんのサポートで参加、もちろん歓迎です。

小学生も参加できるプロの現場 お仕事体験

ご理解のお願い

「みいちゃんのお菓子工房」は、まだまだ完成されたケーキ屋さんではありません。3年間はお菓子工房として稼働させながら、みいちゃんの特性をうまく強みにかえてバランス良く運営していくスタイルを作りあげていきます。2023年には、しっくりいく形で、グランドOPENができるよう当面は、勝手ながらみいちゃんのペースでお店を運営します。

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