ノンフィクション小説 第1話 ~家族全員が目が飛び出たできごと~
2024/12/30
家族全員が目が飛び出たできごと
杉之原千里 ノンフィクション小説 第1話
こないだ我が家の家族全員が目が飛び出る出来事がありました。長くなりますが、記録に残しておきます。
うそやろ
えっ、うそやん
え、え、えー
と家族みんなが声を揃えて言ってきた。
私は、こう応えた。
私は何もしてない。ほっといた(笑)
と。
その出来事を残しておきます。
先日、みいちゃんが、突然、言ってきたんです。
お願いします。行きたいところがあります。
クリスマスケーキを2倍注文うけてもいいから
お願い!お願い!
と。
それは栃木でした。
うそやん
栃木って知ってる?
東京よりも遠ーいねんで。わかってる?
無理。無理。絶対無理。
と返しました。
でも・・
ほんとに行きたいようで。何度も何度もお願いしてくる。
きっとほんとに行きたいんだろうな。
でも・・遠すぎやし・・
そんな気持ちもあったんですが、我が子が本気で、私に心からのお願いをしてきてる時ってのは、その子が変わるチャンスでもある。
すでに予約がいっぱいのクリスマスケーキを2倍にするようなことはしませんでした。
ただ、根負けしたんです。みいちゃんの想いに。
ちょうど長女が大変な時で。
あっちもこっちも、ほんと、自分の想いを好きなように
発信してくる。なんでこんな時に・・と思うも。
仕方ない。
私の時間をみいちゃんにもあげるか・・
と公私ともに超多忙な時期に入っていたんですが、みいちゃんのために時間を取りました。
栃木に入り、何をしたかと言うと。
私は何もしてません。ほっといたのです。
「ほら、栃木に来たで。お好きにどうぞ」
と。
これまで、みいちゃんは、1人で外出した事がありません。出来ません。しようともしません。
できるのが、自宅から工房までの通勤です。徒歩3分の距離。17年間、1人で外を歩く事は、この距離しかできた事がありません。いつも交代で家族が付き添っていました。
結構大変です。
みいちゃんは外に出るのが大好きなので、そもそも家にこもっていないのです。そのたびに誰かが、付き添うのです。家族は、それをわかってます。
今回は、「1人で行く」というのです。
無理やろ、1人?
えっ、話せるんか? ってか話せな無理やろ。
携帯でもなんでもいいし、言葉を伝えられる手段、準備しなあかんやん。
とか、色々私は言ったわけです。
そんな事、これまでのみいちゃんでは、ありえなかったので、あまりに突然すぎて動揺したんです。
きっと、わかってないんちゃうかな・・とか。
いや、その強い想いはわかるけど、やっぱり無理ちゃうん?身体動くんか? 何百人って知らん人いて1人でどうするん。
とか、色々考える事がありすぎて整理ができんかったのです。
でも。
もう、ごちゃごちゃ考えんと、とにかく行こう!
まず、行こう!
となったわけで。栃木にむかいました。
そして。
みいちゃんは、1人で行ったんです。
頑張ったんです。
家族に
「みずき、ほんまに1人で行きよった・・」
と報告すると。
1人で?うそやん。
えー。みずきが1人で?
うそやろ
あいつやりよるやん!
と歓声が巻き起こり(LINEですが・・)
「やりよるな、あいつ(笑)」
と私も返しました。
この出来事、実は、みいちゃんが、1人でライブに行く。
というチャレンジだったんです。
でも、当日、笑うくらい想定外の事がおこり、神様が、さらなる試練をみいちゃんと私に課せたのです。
そんな事ある?
これ、映画か?
なんなん、どこでカメラ回ってるん。
そんな事があったのです。
きっと、これはみいちゃんの映画だ。
夢の中だ、きっと。
私は、その映画に出演してるママ役の役者だ。
と思い自分を落ち着かせたのです。
人生はおもしろい
続く
この小説は、杉之原千里が2024/12/30にフェイスブックで投稿した内容の引用です。